07:休憩時間

終了五分前から教室はそわそわしはじめて、チャイムが響けば教師は追い立てられるように授業を切り上げる。
早速早弁に走るアメリカやおしゃべりに興じるフランス、次の授業の支度をするドイツもいれば、授業中から寝っぱなしのプロイセンもいる。

「起きろ馬鹿」

ていっと軽く頭を叩けば、プロイセンはうっとうしそうな声を上げて涎をすすり上げた。
次の授業がこの教室でじゃないってことも含めて、まあほっといたって私としては何の問題もないのだが。こいつが一人で起きたとき1人楽しませないようにと一生懸命起こしてあげる私まさにエンジェルね!

「次移動だよ。早く起きなって」
「…なんだっけ…」
「今週からバスケッ」
「行くぞ!」

机から飛び起きて、意気揚々とカバンから体操着を取り出すプロイセンはまったく本当にしょうもないやつだ。
こいつは背が高いから体育ではいろいろ有利である。凶暴…じゃなく積極性も十分だし、ぶっちゃけかっこいい。かっこいいプレイのあとに付く自画自賛さえなければ本当に。
私たちはあわただしく、ざわつく廊下を歩く。休憩中の生徒の間を縫って。体育館はなかなか遠くてめんどくさいんだよね。


「休憩時間なんだから休憩させろよ、次の支度と移動で精一杯だろ。てか休憩時間もっと延びろ」
「授業ちゃんと受けてる人にはしっかり休憩なんじゃないの?」
「マジ知らねー、あー体育館遠いぜー」
「バスケするギルめっちゃかっこいいよね!」
「何を今更!おっしゃ小鳥のようにかっこいい俺様見せつけてぜー!」

とかなんとかいいつつ二手に別れる私たち。ここから先は男子禁制。着替えかけのベルギーやらハンガリーやらに挨拶しつつ、私はさっさと胸元のリボンに手をかけた。

手早く着替え終え、体育館に行ってみたらなんだかしらないけどフランスとスペインしかいなかった、っていうのも変か。
正確にはクラスの皆はいるんだけど、プロイセンがいない。

「あれギルは?」
「体育館シューズ教室に忘れたんやて」

スペインの言葉と授業開始を告げるチャイムが同時で、なんかすごいシュールだった。


(どんまい!)








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