●愛の逃避行?
「大丈夫、周瑜に先に言ってあるもの。」
馬から下りて、お姫様ははじめに軍師にそういいました。
それからお弁当を広げて、食事をして、ぼんやりとして、語らって。
お花畑というこの場所と、二頭の馬と周幼平以外は、いつもの午後と同じでした。
いつもの幸せな午後でした。
身代金の要求もなく、誘拐された軍師は夕刻頃に無事に解放されました。
「たまにはこういうのもいいものですね。」
「ごめんなさい、無理矢理に連れ出してしまって」
「いえ!とても楽しかったです。良い息抜きになりました…、ありがとう。」
軍師は笑って言いました
お姫様は笑って、きゅうと自分の着物の裾を握り締めました。
「…姫?どうかしましたか?」
「ううん、なんでも
…ただ、少し、この時間が終わるのが寂しいだけで。」
お姫様は視線を泳がせて、瞼をぱちんと閉じて、また開いて、微笑みます。
「じゃあ、ね。陸遜。」
周幼平に連れ立たれて、お姫様は去っていきました。
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