●怒れる虎
「しゅ、周瑜さまぁぁっ!!」
城で周瑜に泣きつく小喬と、大喬の涙ながらの謝罪と経緯。
聞いていたのは呉が大都督、周瑜だけではありませんでした。
たまたま、周瑜の部屋には軍師が同席していたのです。
「姫がそのような…」
「周瑜さま、を、を助けて!!」
「わかっている、小喬。姫は必ず取り戻そう。」
周瑜は穏やかな表情で小喬の頭をなでて、軍師のほうを見たときには厳しい表情で言いました。
「以前からその付近を根城にしている山賊の一味かもしれない。陸遜、頼めるか。」
「はい!お任せください!」
軍師は弾かれたように立ち上がり、ほとんど反射的にそう答えました。
「孫呉の姫と知り拐かした罪…その身に刻みつけてやれ。」
「…必ずや。」
拱手した軍師の瞳には、肉食獣のような剣呑な光が閃いていました。
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